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◆企業訪問◆「子連れ出勤」という選択肢(社長編)

今回は、「子連れ出勤制度」を実践しているソウ・エクスペリエンスに訪問しました。同社は、「パラグライダー」「スパ」「クルージング」といった、やってみたかったけど、自分ではなかなか一歩を踏み出せない、ちょっと変わった体験を贈る「体験ギフト」事業をおこなっています。そんな同社で実践している「子連れ出勤」というちょっと変わった働き方について「ママ編」「パパ編」「社長編」の3編構成でお届けします。今回は、「社長編」です。

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"Good Experience, Good Life."の実践

 

「子連れ出勤100社プロジェクト」をはじめたきっかけを教えてください。

自社で子連れ出勤をやってみて、いい制度だなと思いまして、社外に発信すれば子連れ出勤を取り入れる会社が増えるのではないかと考えて、「子連れ出勤100社プロジェクト」をはじめました。

子連れ出勤自体は、私が個人的に子どもをオフィスに連れてきていたことがきっかけです。大学卒業後に就職をせずに起業したせいか、私には常識が欠落しているのかもしれません(笑)。自分の子どもを連れてきているうちに、社員にも子どもができまして、当時は社員が10人くらいしかいなかったので、1人辞めてしまうと業務が回らなくなるという状況になりました。私としては、できれば残ってほしいと思っていまして、そのことをやんわり伝えると彼女も喜んでくれて、子連れ出勤社員第1号になりました。

子連れ出勤は会社にとっても、社会にとっても良いことだと思っています。待機児童問題を批判したい気持ちもあるのですが、保育園は急には増えないです。簡単とは言い切れませんが、子連れ出勤はお金もかからず、やればできる案なのです。

以前、アフリカに行った際の話なのですが、多くのお母さんが子どもをおんぶして仕事をしていました。それを見て、仕事場に子どもがいることは、それほど違和感のないことだと感じました。子どもがいて不都合な業種もあると思いますが、みんながみんなそうではないですし、常識が足かせになっているだけのことも多いと思います。当社のような育児支援に前向きな会社に、見学に行くこともあるのですが、どこもあまり外部には発信しておらず、知られていないんですよね。ですので、意外にできるのだということを、「子連れ出勤100社プロジェクト」を通して、もっと広めたいと思っています。

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子連れ出勤を実現させるためには、やはり西村さんのように社長が先頭に立って進めていく必要があるのでしょうか?

社長に理解があったほうが、話が早いのは確かだと思います。100~200人くらいの小さい会社であれば、社長の鶴の一声でできます。ただ、私も全てを把握できるわけではないので、気軽に意見を言える雰囲気づくりを意識しています。そうすると、なにか問題があったときに自然と耳に入ってくるので、それをキャッチして、問題が小さい段階で解決していっています。

たとえば、当社には正社員で子連れ出勤をしているスタッフと、シフト制で働くパートタイムのスタッフがいます。パートスタッフは時給制です。子どもを連れてくると、オムツを替えたり、授乳したりと子どもの年齢にもよりますが、仕事から離れる時間が少なからずありますよね。経営側としては、特段気にしていなかったのですが、実際に子どもを連れてきているスタッフは、この時間も他の人と同じようにお給料が払われることに、後ろめたさを感じていたみたいなんです。そこで、スタッフからの提案で、「みなしお世話時間」を引くという感覚で、子連れ出勤をしている人の時給を下げることが決まりました。気持ちの面で、こうした方が働きやすいと好評でした。私が気づけることは限られているので、このように本人たちが自ら課題を発信してくれるのはありがたいですし、これからも大切にしていきたいです。

 

子連れ出勤を取り入れてよかったと感じるのは、どのようなときでしょうか?

子どもと接することは、大人にとってすごくいいことだと感じるときでしょうか。今の時代、自分が親にならないと子どもと接する機会ってないですよね。近所の子どもと会話をすることはないですし、親族の子どもに年に数回会うくらいでしょう。それが、会社に子どもがいるに接する時間が大きく増えます。子どもたちと接してみて、子どもってかわいいと思ったり、子どもが欲しくなったという人がいたりと、変化がありました。子どもがほしいという気持ちや、その度合いが増すことで、同じような社会環境にいても子どもを育てようと踏み切る人が増えるかもしれないですし、これこそ本当の少子化対策ではないかと思ったりもします。実際、当社は出生率が高い会社だと思います(笑)。育休を取った人も、また戻ってきてくれますし、人手不足で困ることもありません。

 

今後のビジョンをお聞かせください。

一人ひとりが、自分の興味関心を追求できる社会をつくっていきたいです。それが仕事でできれば尚良いと思うので、少なくともこの会社ではそれがきるようにしたいです。将来楽しいことをするために今辛いことを我慢したり、老後に悠々自適な生活を送るために、嫌々ながら仕事をしたりするような価値観は古いと思います。今は、インターネットが個人や小さい組織をサポートしてくれますし、興味のあることを突き詰めて、それを仕事にできる時代だと思います。私も自分の興味を追求して今があります。

当社の体験ギフト事業も、このビジョンの一環です。自分で何かを体験してみてこそ、「あれが楽しかった」、「これは面白い!」という感覚が生まれます。このような体験が、自分の人生の方向を決めるときの判断材料になると私は考えています。そして、「点と点がつながって線になる」というように、様々な経験が人生を豊かにするのではないでしょうか。

For BABY PLUS.pngソウ・エクスペリエンスで提供する

出産祝いの体験ギフト 「カタログ FOR BABY」シリーズ

 

日本には固定観念や古い価値観がたくさんあると思います。たとえば、「起業をする前に3年は修行が必要」「子どもができたら、仕事をやめる」「仕事をするなら、保育園に預けなければいけない」といったものです。私はこれらを取っ払いたいと思います。待機児童問題に関して言えば、働きたいのに働けないというのは良くないと思うんです。その人達の持っているエネルギーはとても大きいですし、そのままにしておくのはもったいない。「子連れ出勤」のように、固定観念にしばられず、一部でも状況を改善できる方法を考えながら、「なにかをやりたい」というエネルギーを持った人を応援していきたいです。

 

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[PROFILE] 西村 琢(にしむら・たく)

代表取締役。1981年東京生まれ。2004年に慶應義塾大学経済学部を卒業。在学中の2003年、松下電器産業(現パナソニック)の事業プランコンテストで優勝、出資を受ける権利を得るが起業の道を選び、2005年にソウ・エクスペリエンスを設立。                           

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