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◆企業訪問◆多様な働き方について考える:電通アイソバー

今回は、電通アイソバーに訪問しました。育休から復帰して活躍している女性社員だけではなく、積極的に育児参加をしている男性社員にもお話を聞きました。仕事と子育てを両立させるための取り組みが、会社全体でより効率的な働き方を考えるきっかけになっているようです。得丸英俊社長、清水常平さん、斉藤裕里子さん、ピアソン・フィリップ(フィル)さんの4名に聞きました。

 

子育ては、みんなでするもの

 

はじめに、自己紹介をお願いします。

斉藤: 私は、人事広報部マネージャーとして、育成や採用、PRを担当しています。もともと現場にいましたが、育休後にコーポレート部門のマネージャーに異動しました。2歳の女の子が1人います。

フィル: グローバルアカウント部のフィルです。今年の4月に男の子が生まれて、今は絶賛育児中です。家事と育児については、今のところ妻に専念してもらっていますが、子どもが生まれたときは有給と特別休暇を組み合わせて、3週間お休みをいただきました。戻ってからは3週間ほど時短勤務制度も利用しました。

清水: 僕は、ソーシャルメディアマーケティング部門の責任者をしています。7歳の女の子と、4歳と2歳の男の子がいます。今日は妻が出張だったので、朝6時に起きて、お弁当をつくって、長女を学童保育に息子たちを保育園に送ってきました。このあとも早めに退社して、迎えに行く予定です。

 

3人.jpg左から:フィルさん、清水さん、斉藤さん

 

御社はフィルさんや清水さんのように、育児に積極的な男性が多くいらっしゃるのでしょうか。

清水: 僕のチームには、子どものいる社員が自分を含めて3人いて、全員男性です。僕以外の2人もチームリーダーとして活躍してますが、早めに帰るように意識していますよ。子育ては、お母さんに任せきりじゃないんだっていう雰囲気はチーム全体にあると思います。

フィル: 僕も、できるだけ多くの時間を、子どもと一緒に過ごしたいと思っています。この業界では難しいことですが、早く帰れるように、セルフマネジメントをしていきたいです。子どもの面倒を見るために、家でテレビ会議をさせてもらったりもしています。

斉藤: 2人のほかにも子育てに積極的な男性が在籍しています。男女に関わらず状況を理解してくれる社員がいたので、私も育休から復帰した時は心強かったです。夜遅く残っている時に、「今日は遅いね」って言ってくれるだけでもありがたいですから。

清水: 会社の仲間も含めて、子どもはみんなで育てるものなんじゃないですかね。みんなには育休中にも子どもを連れて会社に来てほしいし、そうすると周りの人も協力しやすくなると思います。子育ては1人でするものじゃないですし、もっとわがままになっても良いと思います。

 

清水さん.jpg

 

みんなで子育てをする会社というのは、安心して働けそうですね。

清水: それを実現するために、産休や時短の人が増えても業務を回していけるような仕組みをいろいろと試しています。誰かが抜けてもチーム全体で対応できる体制をつくることは、ただ育児休暇を取得しやすくするだけではなく、会社としてのリスク分散にもなります。育児との両立という課題が、チームビルディングやタスク管理について考える良いきっかけとなった気がします。特に僕の部門は女性も多いので、将来安心して働ける環境をつくるために、どんどん取り組んでいきたいと思っています。

 

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8月に同社でおこなわれたファミリーデーの様子

 

ハプニングだらけの子育てを経験して
 
 
子育てのご経験を通じて、ご自身に変化はありましたか?

斉藤: 子どもができたことで、この年齢になってもわからないこと、知らないこと、できないことがこんなに沢山あるのかと気付かされました。デジタルの最新知識やスキルが身についた訳ではありませんが、子育ては、視点が広がったりして親を成長させてくれます。人として幅ができて、それが仕事にも活きていると思います。

フィル: 僕は今年パパになったばかりなので、ただがむしゃらに過ごしていて、まだ深くは考えられていないかもしれません。

斉藤:私も最初は必死でしたよ。今振り返ると、成長できたなと。あと、生活にメリハリができる気がします。子どもがいると、家に帰るのが楽しみで、テンションが上がるんですよ。その後疲れるんですけどね(笑)。

清水:あえて、仕事人間みたいなことを言わせてもらうと、育児とか家事ってタスクマネジメントのトレーニングだなと思います。まずハプニングが起きないことがない(笑)。食事をつくっているときに、振り向くとなぜか子どもがびしょびしょになっていたりとか。また、こっちの都合で、ご飯を食べさせるのが遅くなったりしたらダメですし、家で仕事をしたにしても、子どものご飯の時間は仕事ができないので、段取りを考えて動かざるをえなくなります。うちは子どもが3人いるので考えることは多いのですが、最近はそれをルーティンでできるようになったので、自分も成長したなと思います。

 

やはり、仕事と子育ての両立は大変ですか?

斉藤: そうですね。ただ私の場合、複数のことを同時にやっている方がバランスが取りやすいです。出産後、育児に専念するべきか悩んだ時期もありましたが、自分を俯瞰してみたときに、安定した気持ちでいるためには、仕事をつづけたほうが良いと判断したんですよね。

清水: 仕事の調子が悪いとプライベートにも影響がある時がありますが、逆も然りで、どちらかの調子が良いと、もう片方もうまくいき始めることもあります。仕事も子育ても、自分の持っている「社会の役に立ちたい」という思いを満たしてくれる感じがしますね。

 

斉藤さん.jpg

 

より効率的な働き方を考えるきっかけに

 
先ほどフィルさんからテレビ会議のお話がありましたが、場所に縛られずに仕事をすることは多いのですか?

斉藤: 私は基本的に17時半には帰ってしまうので、電話やテレビ会議を使ってミーティングや面接をしたりしています。応募者にとっても時間の節約になりますしね。

フィル: そうですね。けれど、僕はクライアントとのやり取りはフェイス・トゥ・フェイスですることの方が多くて、遠隔を中心にミーティングをすることはまだ難しいかなと感じています。

清水: なるほどね。私は、お客さまとの遠隔ミーティングは推進すべきだと思っています。物理的に遠い北海道のお客さまとは電話でミーティングをしていますし、この仕組みが確立できれば、仕事の幅も広がると思うんです。やっぱり、移動時間はもったいないですからね。あと、遠隔ミーティングは、アジェンダとかスライドをきちんと用意していないと話が進まないので、効率的に進めようという意識が働くんです。家からミーティングをさせてもらっているうちに実感したんですけど、グダグダやることがなくなるので、子育てに関係なく推進するべきかなと思います。

斉藤: そういえば、私もずっと遠隔でやりとりしているお客さまが1社あるのを思い出しました。たしかに、1時間の打ち合わせと決めたら、1時間きっかりに終わりますし、集中できます。もともと、当社はグローバルでのやり取りも多くありますから、設備は整っていますし、もっと取り入れられたら良いかもしれないですね。

 

フィルさん.jpg

 

今後の展望をお聞かせください。

清水: 先ほども言いましたが、子育ては、1人でやるのもではないと思うので、もっと周りの人に頼っても良いと思います。育休中の人が子どもを連れて来て、顔を見せに来てくれるようなチームにしたいですね。

斉藤: 仕事と子育ての両方が、トータルでなんとなく上手くいっているというのが、正解なのかなと思っています。仕事でも、なんとなく全体的にまとまっていくのが正解だったりするんですよね。完璧を求めれば良いというわけではないことを受け入れられたのは、子育ての経験があったからだと思いますし、肩の力が抜けました。この感覚をこれから子どもを持つ人に伝えたいし、相談に乗りたいなと思います。

フィル: 時間さえあれば、仕事も子育ても、もっと上手くできるんじゃないかという思いがあります。仕事もちゃんとやりたいし、家にも帰って手伝いたいし。切羽詰まってる訳じゃないんですけどね。どこかて妥協しないといけないのはわかっているんですけど、後悔するのは嫌なので考え続けます。とりあえず今は、早く帰れる時は、帰ろうと思います。

 

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多様な人材が会社にいること
 
 
最後に得丸社長に伺います。 会社として、育児参加を推進していくメリットを教えていただけますか?

得丸: マーケティングの世界では昔からよく、「マーケターはプロの消費者になれ」と言われます。消費者としての自分がどういう考えで行動しているのか、俯瞰的に見なさいということです。この業界は、プライベートが仕事に活きてきます。例えば、子ども向けの商品を扱っているお客さまの支援をする時は、育児の経験が役に立ちます。大げさに言えば、24時間働いているようなもので、消費者である時もアイデアを得られるので、仕事とプライベートを完全に切り離せません。仕事とプライベートが良い意味でつながっていくと、個人の成長にもなりますし、会社の成長にもなると思います。

私たちがお付き合いしているお客さまのターゲットはティーンエージャー、シングル、家族、高齢者など、いろいろな層がありますので、会社として多様な人材を確保することは大切だと思っています。会社の規模も大きくなってきて、いろいろな企業さんと仕事する機会が増えていますしね。育児参加に限らず、多様な働き方を認める環境をつくって、優秀な人材を確保して、彼らが最大のパフォーマンスを発揮できるような会社にしていきたいです。

 

>前回のインタビュー ◆企業訪問◆「子連れ出勤」という選択肢(社長編) はこちら
>ほかの SPECIAL INTERVIEW -インタビュー- はこちら
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[PROFILE]  得丸 英俊

(株)電通入社後、1990年代半ばより、デジタルコンテンツ開発、オンラインマーケティングの領域へ。電通グループのVCやマーケティング領域のグループ会社役員等を歴任し、2009年11月より現職。

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略歴

1964年
生まれ
2008年
第1子・第2子(双子)が生まれる
2009年
電通レイザーフィッシュ 代表取締役に就任(現・電通アイソバー)
2016年
グローバルなデジタルエージェンシー、Isobarのネットワークに参画、電通アイソバーに改称

[PROFILE]  清水 常平

2001年よりモバイルを中心としたシステム開発およびコンテンツ企画に携わり、2006年より現職。2012年10月にソーシャルメディアマーケティング部を発足し、SNSを活用した企業のマーケティング支援を提供。

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略歴

1974年
生まれ
2006年
入社
2008年
第1子が生まれる
2010年
ソーシャルメディアマーケティング部発足
2012年
第2子が生まれる
2014年
第3子が生まれる
2016年
会社を経営する妻とともに仕事に子育てに奮闘中

[PROFILE]  斉藤 裕里子

2005年より現職。企業のデジタルマーケティング支援に8年携わり、現在は人事広報部の責任者。同じ業界で働く夫とともに子育て奮闘中。  

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略歴

2005年
入社
2013年
第1子が生まれる
2015年
経営管理部へ復帰
2016年
人事広報部発足
 

[PROFILE]  ピアソン フィリップ

2008年に中国でキャリアをスタート。広告業界に入ったのは2011年から、香港(後イギリス)でメディアエージェンシーに務めた後、2015年に幼少時代を過ごした日本へ帰国し、現職に就任。今は主に日本でのデジタルマーケティング活動をする外資系クライアントを支援。  

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略歴

1986年
生まれ
2015年
入社
2016年
第1子が生まれる