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子どもの“好きなこと”と“得意なこと”が重なったとき親は褒めろ―電通パパラボ座談会vol3〈前半〉

電通には、母親視点から企業のマーケティング活動を支援するチーム「ママラボ」のほかに、父親視点から企業向けのソリューションを開発・提供するチーム「パパラボ」が存在します。パパラボでは、共働きパパなどの独自のインサイトを分析し、知見・ノウハウを蓄積しています。今回、しゅふクリ・ママクリでは、パパラボメンバーによる座談会を3回実施します。第3回は、「教育」について話し合ってもらいました。話が多岐に及んだため、前半・後半に分けてお届けします。

まずはお一人ずつ自己紹介からお願いします。

佐久間:パパラボは未就学の子どもを持つメンバーが多いのですが、私と関はその中では少数派で小学生の子どもを育てています。今年12歳と10歳になる娘2人がいます。

関:9歳の男の子と、6歳、3歳の女の子の3児の父親です。僕は、パパラボメンバーの中では、意識が低いと自覚していてイクメンではありません。どちらかというと、子どもが多い育児パパというポジショニングです(笑)。

山本:私は、6歳の女の子と3歳の男の子の2児のパパです。自分の父親は元々小売業で、土日休みではなかったため、週末に公園などで遊んでもらった記憶がほとんどありません。だから、自分は土日休みで子どもとたくさん遊べる家庭を築きたいという思いが強くて、いまの会社で働き、またパパラボの活動もしています。今では両親とも近居のため、父親もよきジイジとなり、孫とたくさん遊んでくれるので微笑ましいかぎりです。

左から:佐久間さん、熊木さん、関さん、山本さん

熊木:僕は2歳半の息子がひとりです。子どもが生まれたとき36歳だったのですが、36歳ってちょうど人生の折り返しみたいな感じじゃないですか? だからか、干支が3回りして自分がもう一度生まれたみたいな感覚を持ちました。そのとき、僕がいまからものすごく成長して立派な人間になるより、子どものほうが何倍も可能性があるなと思ってしまって、「教育」や「勉強」、「幸せ」、「人生」について、これまで以上に考えるようになりました。

一同:哲学だね~。

関:たしかに、自分に投資するより、子どもに投資したほうが何倍も返ってくるので、やりがいがあるんですよね。

山本:子どもへの投資は、子どもの成長だけでなく親の気づきにもつながりますよね。一人の人間としての成長は、ある程度いくと鈍化してしまいますが、親としての成長曲線はまだ伸びしろがあると思ってます。

今回の対談のテーマはまさに未来への投資、「教育」です。皆さんどのようにお考えでしょうか?

関:教育とはちょっと違うのですが、「共育」趣味をつくろう!ということを広げていきたいです。乳幼児の育児って一日中インドアじゃないですか? 実はあれが結構苦痛だったんです。けれども最近息子たちが大きくなってきてきて、一緒に趣味を楽しめるようになった途端に子育てが楽しくなったんです。子どもに乗じて自分の趣味を諦めずに続けられるやる、そして共に成長する、といったように。

山本:私もですね。私自身、学生時代は体育会系だったので、スポーツのおかげで成長したという思いがあります。だから、子どもにもスポーツで心を豊かにしてほしいなと思っていて、スポーツと教育の両立を提唱しています。

佐久間:確かにスポーツのほうが勉強よりもとっつきやすいから、教育とつなげやすいですよね。

山本:まだ子どもが小さいから勉強より、まずは体からというのもあります。佐久間さんのところは、勉強はどうされてますか?

佐久間:ちょうど上の子の受験が本格化するし、下の子も英語に興味が湧き始めています。この子らが自分で楽しく学びたいと思えるように、勉強への最初の一歩を踏み出すためのきっかけを遊びの中に散りばめるように意識しています。たとえば、七並べを夜に一緒にやることが多いのですが、「トランプの王様ってヨーロッパの世界を治めていた4人の王様で、一人だけ女王のいる左側を向いているんだよ。これは女好きで有名だったユリウス・カエサルという人で、隣りにいる女王は世界三大美女のクレオパトラらしいよ」といった話からカエサルのストーリーを紐解いて教えていったら、歴史好きになりました。

関:知らなかったわ〜。我が家に講師として来てほしい(笑)。

佐久間:そのほかにも、「東インド会社がイギリスからインドに胡椒を買い付けに行きたい。行けば儲かるのはわかっているけど、船の投資にお金がかかってしまう。また沈没のリスクもあるみたい」といった話からリスク分散や投資信託を説明したり。あと、その話に追加して「お茶って実はウーロン茶も紅茶も緑茶も全部同じ葉っぱで、積んだ時は緑茶なんだよ。でも、南アフリカを越えていったときに…」と話をしたときに、上の子が気付いて、「もしかして腐って紅茶になったの?」と返したり。このように、国語・算数・理科・社会ごとに分断するのではなくミックスできるように意識しています。歴史の細々したエピソードを知ってほしいわけではなくて、調べたくなるような仕掛けを設けていきたいですね。

熊木:まさに、ガリレオシリーズ(東野圭吾原作の推理小説)の物理学者・湯川学氏が説く、「好奇心を放置しておくことは罪悪だ。人間が成長する最大のエネルギー源が好奇心だからな」だね。

教育の前段階は好奇心ということですね。熊木さんは何か実践していることはありますか?

熊木:うちは子どもが小さいので、教育についてはさほど実践していません。他のメンバーから「戦術」の話が出たので、私からは「戦略」の話を。

一同:マーケっぽい〜(笑)。

熊木:子どもが生まれた時に、「こいつ、俺が目を離したら死ぬな」と思いました。と同時に、「人間は生まれた時から一人では生きられない動物なんだな」とも気づきました。なので、人間が生きていく上で必要な能力は実は「誰かに助けてもらう能力」だと思います。経済学の用語で「比較優位」と言う概念があるのですが、世の中において比較的得意なところは自分がやって、得意じゃないところは他人に任せる、つまり助けてもらう方がより効率的になるという意味です。そのためには、世の中全体で見たときに比較的得意なことを見つける必要があります。子供は自分が好きなことは見つけることができますが、比較優位、つまり自分が比較的得意なことを見つけることは結構難しいと思います。好きなことだけを大事にすると、世の中に求められず、得意でもないことを選ぶ可能性もあると思ます。大事なことは、好きなことと、得意なことが一致することで、そういう目線で見てあげることは、親しかできないと思っています。だから、子どもが得意なことで世の中に求められることを発見した時は、すごく褒めるとか、好奇心を植えてあげるとか、好きに仕向けることが大事だなと感じています。

そういう意味で、ニーズのある能力・職業はなんだとお考えですか? 昨今、子ども向けのエンジニアリング講座などもありますが?

熊木:あくまで直感ですが、もう手遅れだと思います(笑)。みんながやり始めている時点で、ニーズは飽和していると思いますし、これからAIが発達していくと、プログラミングもコンピュータがやってくれるようになります。世の中は想像をはるかに超えるスピードで変化していて、先が見通せないという意味で、『想像以上・以上』という言葉を社内でよく使うのですが、まさしくそれで、今僕らが想像できてしまう最先端を学ばせるのではなく、変化に耐えうる精神、もしくはサバイバル能力が必要だと思っています。

山本:タフさってこと? じゃあ我が家の方針は間違ってないな(笑)。

関:ウチも間違っていないな(笑)。でも、こうやって取材されてメンバーの内面について初めて触れたけど、みんな凄いこと考えているんだね。ほんと、意識高いな。

ほんとう、そうですよね。私も子育て中ですがここまで深く考えていなかったです。教育に関する皆さんの考えについてお聞きできたので、後半は実践的な子育てハックについてインタビューしていきたいと思います。

※2018年2月に取材した内容を掲載しています。

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