フリーライターが仕事を受ける際、お金の面で注意すること【ママクリ奮闘記】
フリーライターが仕事を受ける際、お金の面で注意すること
こんにちは、ライター・コラムニストのせきねみきです。フリーライターが仕事を受けるときは、提示された原稿料に何が含まれているのかを把握することが大切です。
押さえておきたいポイントを10項目にまとめました。
原稿料の消費税
ラフ・構成案提出の有無
質問案作成の有無
取材先への交渉・原稿確認の有無
取材進行の有無
撮影の有無
文字起こし提出の有無
WordPressなどCMS入力の有無
交通費支給の有無
書籍など資料代支給の有無
原稿料が税別か税込みか記載されていない場合、税別のことが多いように思いますが、最初に聞いておくことをおすすめします。記載がなく、念のため確認したところ税込みだった案件もありました。消費税10%の有無は案外大きいです。
最近はWeb記事の仕事が多く、ラフを出す機会はほぼないのですが、私が知る雑誌編集部では原稿料と別でラフ作成料金が設定してありました(さらに手書きとパワーポイント作成で金額に差がありました)。構成案に関しては、私は原稿と別に料金をいただいています。質問案は編集者がつくるパターンが多いものの、ライターに考えてほしいという要望をもらったこともあり、その質問案出しは原稿料に含まれていました。
ライターが直接取材先へ交渉をするかどうかは案件次第といえます。私の場合、取材相手が知り合いなど近い立場の人だったときに、間に入ったことは何度かあります。ファッション誌では「撮影に使用する商品のリースや原稿確認は全部ライターが担当する」とファッションライターの妹が話していたので、会社や編集部の方針によるところが大きいでしょう。
取材進行については、原稿料に含まれているパターンと別のパターン、両方経験したことがあります。取材に同席して進行を担当した場合、その分が原稿料にプラスされ、編集者のみが立ち会って進行した取材音源を基に書く原稿料と差別化してありました。
大手メディアの仕事では、社カメ(=社員カメラマン)と呼ばれる専属契約のカメラマンや、フリーランスのカメラマンに依頼することが多いため、ライターが撮影することは基本ないように思います。聞いたところによると、メディアによっては「一眼レフを渡すので、自身で撮影してきてください」というケースもあるそうです。また、グルメや旅の取材リポート記事は、ライターが自ら撮影した写真を活用することも多いのではないでしょうか。
文字起こしやCMS入力は工数がかかるので、作業の有無がわからない場合は確認しましょう。とあるライター仲間は、文字起こしはすべて外注すると言っていました。以前コラムに書きましたが、私はスケジュールに余裕がないときは、文字起こし提出が必要な案件をお断りしています。
交通費は込みの場合も別の場合もあります。遠方へ出張の際などは、別途支払われることが多いはずです。さらに、日当や長時間拘束の料金が加算されることも。インタビューの案件では、取材対象者の著書を事前に読んでおいてほしいと依頼されることがあります。書籍代が原稿料に含まれているケースと実費で請求できるケース、いずれも経験しました。
ここで、私が実際に体験したエピソードを紹介します。
あるインタビューの連載案件で、「取材候補の広報担当者リストをお渡しするので、ご自身でアポイントを取っていただき、1500文字程度のインタビュー原稿を月に2本ほど、Web用に書いてほしい」とお願いされました。つまり、取材交渉から質問案作成、当日の取材対応まですべてライターにおまかせしたいという依頼内容です。肝心の原稿料ですが、提示金額は1本あたり1万円を切っていました。
名の知れた出版社の仕事で、内容的にも興味がありチャレンジしてみたい。しかし、仕事の対価としての原稿料がまったく見合わない……。悩んだ末にこの案件はなくなってもいいと割り切り、思い切って金額交渉をしたところ、残念ながら依頼は見送られることとなりました。でも後悔していません。
ここまで極端な例はそうありませんが、あとでモヤモヤしないためにも、提示された条件に納得できないなら要望をきちんと伝えたほうがベターです。行動を起こしてうまくいかなければ、今回はご縁がなかったということ。すっきりした気持ちで、次の仕事に向けて準備しましょう。
【執筆者】せきねみき