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外の世界とつながり、新しいことに挑戦したほうが楽しい―サイバーエージェント デザイナー 齊藤翔子さん【輝く!ママクリ】


仕事に、家事に、育児に…、忙しいけど面白い! 今、巷で活躍しているワーキングマザーを取材しました。第10回は、サイバーエージェントでデザイナーとして働く、2児の母でもある齊藤さん。自ら新しいことに挑戦し、キャリアの幅を広げてきた齊藤さんに、仕事のやりがいや働き方の工夫、家庭での過ごし方を教えてもらったので、ご紹介します。

1 経歴や職場・家庭の状況は?

インターネット広告事業やゲーム事業、「ABEMA」を中心としたメディア事業などを手がけるサイバーエージェントでは、「21世紀を代表する会社を創る」をビジョンに掲げ、事業拡大を続けています。同社と芸能事務所LDH JAPAN(以下、LDH)が共同運営する「CL」は、LDHに所属するアーティストとのデジタルコミュニケーションが体験できるサービスです。現在、CLのデザイナーとして活躍する齊藤さんを取材しました。まずは、ご自身のご経歴や育児休業の取得状況について、お話を伺いました。

サイバーエージェント メディア事業本部 CL事業部 デザイナー 齊藤翔子さん

──ご経歴について、簡単に教えてください。

齊藤:2009年4月に、新卒でサイバーエージェントに入社し、リリースしたばかりのアバターサービス「アメーバピグ(通称「ピグ」)」事業部にデザイナーとして配属になりました。ピグのアイテムのイラストや、Flashアニメーションの制作を担当。また、サービスのUIデザインや、バナー・ランディングページのデザイン、イラストレーターさんへのディレクションなどもしました。

2016年に長男を出産した後、2018年に職場復帰。育休前の部署のピグに復帰しそのまま2019年に2回目の産休に入りました。それから2021年の職場復帰と同時に、現在のCL事業部へ異動になり、現在に至ります。

──お子さんの出産時期と育児休業の取得期間を教えてください。

齊藤:2016年と2019年に出産しました。育児休業は両方とも2年取りました。

長男の時は、保活激戦区に住んでいたので入園できず、育休を1年延長せざるを得ませんでした。だけど次男の時は、あえて2年取りましたね。長男の時に、いろいろなものを吸収して、できることが増えていく赤ちゃんの貴重な時期に長く一緒にいられてよかったなと思ったんです。また、長男が当時通っていた認可外保育園の兄弟枠で1歳児クラスの入園の予約ができていたので安心感がありました。

また、イメージなのですが…、女の子は大きくなってもお母さんと買い物に行ったり遊びに行ったりできるけれど、うちは男の子2人で、男の子は離れていってしまうかなと。だから、今のうちに一緒にいようと思って。

──2年間、育休を取得してよかったと思いますか。

齊藤:そう思います。

ただ、もし、休業の期間がもっと長かったら、早く外に出たくなっていたかもしれません。私自身はおそらく、専業主婦としてずっと家の中で過ごしていたら、ストレスがたまるタイプです。働いていたほうが、外の世界とつながって自分でやりたいことがやれて、楽しく生きていられるなと思っています。

──職場復帰の際の周囲の反応はいかがでしたか。

齊藤:実の母も義理の母も、働きながら子育てをしていたので、「大変だけどよく頑張ってるね」と応援してくれて、困った時には助けてくれます。上司も復帰を大歓迎してくれましたね。

──第二子の出産後は部署が変わり、新たなお仕事の担当になりましたが、復帰の際はどんな様子でしたか。

齊藤:当時はコロナ対応で、全社的にリモート勤務を推奨していました。私自身は、最初の1カ月はなるべく出社していたのですが、それでもCL事業部のメンバーと対面で話せる機会がほとんどなくて。対面なら相手の状況や空気感を読み取って話しかけられますが、リモートだとそれができないので、意を決して聞いたり、ミーティングを設定したりしていました。

2 仕事のやりがいや工夫、働き方については?

エンジニアとして入社した後、働きながらデザインを学んできた齊藤さんは、Web・アプリのデザインにとどまらず、今ではグッズ制作まで担当しています。2児の母でもあり、とても忙しいはずなのに…。常に新しいことに自分から挑戦し、デザイナーとしてのキャリアの幅を広げていく過程は感動的ですらあります。どうして、そんなふうに向上心を持ち続けていられるのでしょうか? 齊藤さん流の仕事との向き合い方について、お話を伺いました。

──就職の際に、サイバーエージェントを選んだのはどういった理由でしたか。

齊藤:大学では情報系の学部でCGやプログラミングを学びました。卒業研究でGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を使ったものを研究していたのもあり、ユーザーから見える部分の実装ができる、フロントエンドエンジニアとして働くことを希望していました。また、自分でデザインができると制作の幅が広がるので、いつかデザインもできるようになりたいと考えていました。

その中で就職先は、BtoCの自社サービスを開発している会社に応募していました。ユーザーとして触れるいろいろなサービスに、「もっとこうなったらいいのに」と思うことが多くて。それを実現するには、企画から携わり、ユーザーの声が聞ける環境が楽しそうだなと漠然と思っていたのかもしれません。

就活時に、サイバーエージェントは企画や仕様策定から入れるということがわかり、魅力的だなと思って。先輩社員がみんな楽しそうに働いているのも印象的で、最終的には人の良さで入社を決めました。 

──エンジニアで入社して、現在はデザイナーとして活躍されているのですか。

齊藤:採用枠はエンジニアでしたが、ずっとデザイナーとして働いています。

入社当初、フロントエンドエンジニアを希望していたのと、もともとデザインへの興味を伝えていたからか、ピグへの配属が決まり「まずは、仕事を通じてデザインを学んでほしい」と言われて。そうやって始めたデザインが楽しくなって、そのキャリアをずっと積んできています。

──現在担当しているCL事業部のデザインの仕事は、具体的にどんなお仕事ですか。

齊藤:「CL」は、LDHとサイバーエージェントが共同で提供する、デジタルコミュニケーションサービスです。私たちは、ファンとアーティストを繋ぐ「FanTech」と定義しており、ライブ映像などの動画コンテンツの配信やライブ配信、コミュニティ機能などさまざまな機能を提供しています。私は、UIデザインやキャンペーンページ・バナーなどのデザイン、そしてグッズの制作を担当しています。

グッズ制作は未経験でしたが、手を挙げてやらせてもらいました。想像以上に大変でした。例えばネームタオルに文字を印刷する際も、生地によって色の出方やインクの染み方が違う。アーティストの好みや世界観を表現するためには、やりとりを重ね、時間をかけて調整しなければなりません。でも、すごく楽しいです。

──2回目の育休復帰時の異動は、ご自身で希望したのですか。

齊藤:そうですね。復帰する際の人事面談で、あえてピグ事業部以外の可能性について希望を伝えました。デザインをピグの仕事で学んだので、このままでは、ピグで求められるデザインしかできなくなってしまうのではないかという危機感があったんです。

初めての異動ではありましたが、CLもピグも、同じメディア事業本部内のため、勝手がわかっているし、知り合いも多いので、その点では安心感がありました。仕事内容の面では、モチーフがイラストからアーティストの実写に変わり、テイストも違うので、スキルアップにつながっていると思います。

──仕事のやりがいや面白みは、どんなことですか。

齊藤:ユーザーの声や喜んでくれている人の声をSNSなどで聞けるのが嬉しいですね。

例えば、CL上でのライブ配信で、アーティストの顔を写さない時に使う画像用に、メンバーごとの似顔絵を描いたことがあって。それを気に入ったファンの方が、自分のスマホの待受画面にしてくれていて、すごく嬉しかったです。それから、サッカーや野球のイベント用に制作したタオルを、それと関係ないライブに持って行っている写真が投稿されているのを見ると、「喜んで使ってくれているんだ」と実感が湧きますね。

ユーザーもアーティストも喜んでくれるのが身近でわかるので、やりがいにつながっています。

──仕事と家事・育児の両立への不安はありませんでしたか。

齊藤:不安はやっぱりありました。第一子の復帰時は、コロナ禍の前で毎日出社していたので、帰ってきてすぐに夕飯をつくり始め、途中で子どものお迎えに行って、帰宅後に料理を再開して子どもにご飯を食べさせて、21時までには寝かせたい…とバタバタでした。

それと困ったのは病気ですね。保育園入園から半年くらいまでは、発熱で呼び出されることが多々あって。なるべく、同僚に肩代わりをお願いしなくて済むように、前倒しで仕事をしていました。また、急ぎの修正が入ってしまい、子どもを寝かしつけた後に対応した時もありました。

子どもが1人の時は、2人目を生んだら2倍大変になるんだろうなと思っていたのですが、実際は2倍ではなく3倍も4倍も大変でした。子どもが小さいうちは特にそうですね。熱が出たら、「ママ抱っこ…」っていう状態で、リモートでも仕事にならない。今はもう7歳と4歳で、多少熱があっても抱っこは求められず、テレビを静かに見ていてくれるので、子どもを見ながら仕事ができるようになりました。

──会社の人事制度やサポートで役に立ったものはありますか。

齊藤:会社独自の女性活躍推進制度として「macalonパッケージ」があります。その中の1つ、「エフ休」は、女性特有の体調不良の際に「エフ休」とだけ伝えれば良い制度で。妊娠を周りに伝えていない時期の体調不良や検診について、細かく申告しなくていいのは、すごく助かりました。

それと、育休中には「パパママ報」という冊子が自宅に届きます(※現在は、デジタル版をPDF送付)。先輩ママたちの体験談を読んで、復帰するイメージがつきやすくなりましたし、会社とつながっている感じがしました。

また、夫がグループ会社で働いているのですが、第二子の時に育休を1カ月半取れたのはとてもよかったです。弟が生まれたことで長男に寂しい思いをさせないようにと手分けができました。それに、何かにつけて「パパじゃイヤ」という赤ちゃんって結構多いと思うのですが、弟はそもそもパパといる時間が長かったからか、パパにもなついていて。

夫は1カ月半でしたが、もし夫婦で育休を取れるなら、2人とも取れるだけ取ったほうがママは助かると思います。

──育児や家事の経験が、仕事に活きたと思うことはありますか。

齊藤:育休中は、赤ちゃんのお昼寝中が家事に取り組める貴重な時間でした。いつ起きるかわからないので、効率性をよく考えるようになりました。その考え方は活きている気がしますね。

子どもが生まれる前は、残業してでも納得できるまで仕事をすることもありましたが、それが今はできません。でも、妥協はしたくない。9時から16時半までの時短勤務の中で、集中力を高め、アウトプットの質を落とさないようにしています。出産前よりも仕事の密度が高まったと思います。

加えて、タスク量の調節も気を付けていますね。できると言ってできなかったら、周りに迷惑をかけるだけなので…。

どうしても納得いかない時は、持ち帰ることもありますが、自分で選んでいる時短勤務なので、基本はやらないようにしています。

──キャリアについてのお考えを教えてください。

齊藤:サイバーエージェントでは、目標設定面談が毎期あります。そこで中長期的な目標を上司と話し、キャリアパスを考えています。今は、マネジメントの業務よりも、現場で手をずっと動かしていたいなという気持ちが強いです。サイバーエージェントには、専門職として技術を磨くことでステップアップしていける選択肢もあるので、これからもデザイナーとしての引き出しを増やしていきたいと思っています。

3 日々の暮らしの中で大切にしていることは?

仕事も家事も完璧を目指すと、むしろ両立できないという声を、この取材では多く耳にします。仕事とは違って家事は、手を抜いても完璧じゃなくても、当事者である家族が幸せならそれでOKだなと、しみじみ思います。加えて、普段の生活の中で大切にしているポイントを齊藤さんから教えていただきました。それは、毎日を楽しく過ごす上でとても大切なことでした。

──ご家族での家事分担は、どのようにしていますか。

齊藤:平日は、夫の帰りが遅いので、私が1人でやっています。2人ともリモート勤務の日は夫も一緒にやります。スーパーでまとめ買いをしたり、勤務開始前に掃除をしたりしていますね。また、土日は夫も家の片付けや子どもの面倒を見ています。料理と洗濯は私がやりますが、それ以外のことはお互いが気づいたらやるといった感じです。

──予想外に大変だったことはありますか。

齊藤:予想外だったのは、帰宅後から子どもが眠るまでの時間が、私にとっては一日の中で一番忙しいのですが、子供が2人とも食べることより遊ぶことの方に興味があり、7歳と4歳にも関わらず、なかなかご飯が食べ終わらず、産まれてから今まで毎日苦労していることです。仕事を終えて、ご飯をつくって、お迎えに行って、ご飯を食べさせて、お風呂に入れて、歯磨きをして、寝かせる…という一連の流れがノンストップで。21時までに寝かせるためにどれだけ効率的に家事をこなしても、ご飯を食べるのに1時間以上かかることで、台無しになってしまうことも…。

──普段の生活の中で大切にしているのは、どんな点ですか。

齊藤:うちの子はやんちゃタイプの男子2人なので、何度も同じことを注意しなければいけないことがあります。時間に追われているので、こちらもつい叱ってしまう。だからこそ、怒ってばっかりにならないように、「大好きだよ」って、なるべくきちんと伝えるようにしています。私が言っているからか、次男はなんでもない時に「ママ大好き」って言ってくれて、それはすごく癒されますね。

それと、洗い物やゴミ捨てなど、夫がしてくれたことには、些細なことでもきちんと「ありがとう」と感謝を口に出して伝えるようにしています。

仕事と家庭を両立させるために、仕事は手を抜けない分、家事・育児は完璧じゃなくてもいいや、という気持ちでいます。完璧を求めたら、両立はできないので。忙しさに追われていると、気持ちに余裕がなくなってしまうこともあるので、だからこそ協力して仲良く生活していくのが大切かなと思います。

──ありがとうございました。


【執筆者プロフィール】シキノハナ

編集者・ライター 兼 華道家。東京都出身。ビジネス雑誌の編集長を経て、複合サービス企業へ転職。約16年間にわたり、広報を軸とした企画業務に携わる。現在はシキノハナを主宰。仕事に、家事に、育児に…と、忙しい女性を心からリスペクトし応援する。
<ホームページ> https://shikinohana.com/

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