裁判の傍聴席に日焼けの子【ちょっと一息、ママクリ川柳】
裁判の傍聴席に日焼けの子
夏のお出かけ、もうどこかに行きましたか? 海や山のレジャーもいいですが、社会科見学もおすすめですよ。わが家では教育の一環として、家族で横浜地方裁判所へ傍聴しに行ってみました。裁判は平日のみ開廷されているので、夏休みは子どもに傍聴させるのにちょうどいい機会です。今回はそのレポートをしたいと思います。
裁判所には思っていたよりたくさんの人がいて、手荷物検査と身体検査のための行列ができていました。夏休みであるということに加えて、ちょうど今NHKの連続テレビ小説で、日本初の女性裁判官が主人公の『虎に翼』が放映中なので、裁判所が普段より注目を浴びていることも関係しているのかもしれません。ふたつの検査を終えた後、酒気帯び運転と詐欺に関する2件の裁判を傍聴しました。
まず傍聴したのは、酒気帯び運転の裁判でした。傍聴席にはたくさんの人がいて、席は8割ほど埋まっていました。そして、夏休みの課題のためなのか、小学生~高校生が傍聴席のほぼ半分を占めており、メモを取りながら聴いている子たちもたくさんいました。弁護人・検察官・裁判官の質問に証言台で答える被告人の面持ちは、反省しているように見えました。子どもたちは、じっとその様子を見ていました。
ふたつ目に傍聴したのは、詐欺事件の裁判でした。巨額の給付金を不正に受け取ったとされる詐欺事件の裁判で、被告人は体格のいいガードマン二人に挟まれ、手錠をつけられ、ロープで体と腕を巻かれた状態で入廷してきました。証言台に立つ際にそれらは外され、さまざまな質問に答えていた姿からは真摯な印象を受けました。上の子はメモを取りながら見ていましたが、下の子は後半はもう飽きて限界に達してしまい、こんがり日焼けした腕で私を引っ張り、「つまらない、お腹が空いた」と耳打ちしてくる始末。確かに、小学生にはやや難しかったと思います。正直、ここまでよく持ったと思いました。
上の子は、この裁判の傍聴を元に、夏休みの課題の人権に関する作文を書き上げました。下の子は、裁判の理解は難しかったかもしれませんが、酒気帯び運転がいけないことであると、しっかり理解したようです。後日、ニュースで横浜地裁の映像が流れた時、「この前ここに行ったね」と家族で話しました。子どもたちが、法律というルールがあるこの社会と自分の接点を少しでも感じられたなら、十分な収穫だと思いました。皆さんも、よかったらお子さんを連れて足を運んでみてください。小学校高学年以上なら、社会勉強としていい経験になるのではないかと思います。
【執筆者】友常 甘酢(ともつね あまず)